ローカルSDGs アクションフォーラム

参加団体の活動紹介

温泉と落語が生み出す可能性
文化継承・地域交流・新たな価値創造へ

温泉落語協会

団体紹介

温泉落語協会は、日本の伝統芸能である落語を通じて、温泉地の魅力向上と地域文化の継承・発展を目的に活動する団体です。温泉旅館や観光施設、地域イベントなどで落語公演を開催し、観光客に日本文化に触れる機会を提供するとともに、温泉地のにぎわいを創出し、滞在する価値の向上に貢献しています。また、落語家や地域団体との連携を図り、次世代への文化継承、人材育成、地域交流の促進にも取り組んでいます。

笑いを通じて世代や地域を超えた交流を生み出し、温泉文化と伝統芸能を融合させた新たな観光コンテンツを創出することで、日本各地の温泉地の活性化と地域振興に寄与することを目指しています。

温泉落語協会
HP https://onsenrakugo.jp/

該当SDGs 目標番号

インタビュー

落語の様子
落語の様子

世代と立場を超えたつながり

「笑い」や「温泉」には、さまざまな健康効果や身体に良い効果があるといわれます。例えば、免疫力のアップや痛みを和らげる効果、認知症予防、糖尿病の予防・改善、血流の改善などが挙げられます。その他にもストレスを軽減させたり、リラックス効果を生んだりします。また「笑い」や「温泉」を通じて、周りの人と良い雰囲気をつくり、良い関係を生み出します。

温泉落語

団体は「文化の継承」と「人と地域をつなぐ」ことに取り組んでいきます。温泉地では、温泉宿や温泉街などの風情を味わいながら温泉に浸り、その土地ならではの食事をとったり、観光を楽しんだりさまざまな経験を得ることができます。落語は、はなしの最後に「落ち(オチ)」がつくのが特徴で、身振りと手振りのみではなしを進め、一人が何役も演じることで、聞き手側がその話を想像できるという芸能になります。この二つの日本の文化・伝統を後世に継承、そして発展させていきます。これが文化の継承です。

「温泉地で落語を」をキャッチフレーズに、ゆったりした気分で気軽に落語に親しんでもらい、それが落語や伝統芸能の魅力を守り、次世代の演者や担い手が育つ場所へとなることを目標にしています。

人と地域をつなぐことを掲げているのは、温泉地を舞台に、地域の方々とともに、世代や立場を超えたつながりの構築を果たすと考えているからです。

傘を使う伝統芸能太神楽の様子
傘を使う伝統芸能太神楽の様子

例えば太神楽(だいかぐら)。これは寄席を彩る色物芸能の一つで、もともとは神社で行われていた神事が始まりとされ、現在では寄席を代表する伝統芸能として親しまれています。傘の上でまりや升を回す「傘回し」をはじめ、さまざまな曲芸は、高い技術だけでなく、会場全体を笑顔にする力があります。「すごい!」と驚き、自然と拍手が生まれる。その一体感も、太神楽ならではの魅力です。受け継がれてきた技は、今も多くの人を魅了し、日本の寄席文化を支え続けています。

認知症予防にも効果

さらに、認知症予防に貢献することも活動の一つです。2019年6月、国は認知症の「予防」に重点を置く認知症新大綱を発表しました。ここでの「予防」とは、「認知症にならない」という意味ではなく、「発症を遅らせる」「進行を緩やかにする」という意味です。そこで協会は「想像力を養う」、「笑いの力」を与える落語で認知症予防に役立つと考えています。

協会では演者と会場を募集しています。演者は「落語や色物芸能の活動の場を広げたい方」「温泉地や地域イベントで芸を披露したい方」「世代や地域を越えた交流を大切にしたい方」「日本文化や芸能の魅力を次世代へ伝えたい方」「協会の理念に賛同し、活動に参加いただける方」。登録できる主な芸種は落語・太神楽・紙切り・漫談・講談・手品・曲芸・音曲など、幅広い芸能が対象です。

会場は旅館・ホテル・日帰り温泉施設・地域の文化施設など。温泉地やその周辺で公演の場をご提供いただける施設と連携し、地域に根ざした文化活動を育んでいきたいとのことです。

協会からメッセージ

温泉地を舞台に、落語や色物芸能を通じて日本の伝統文化を未来へつなぐ取り組みが進められています。地域ならではの温かな雰囲気の中で、笑いや芸に触れる時間は、世代を超えた交流を生み、文化を身近に感じられる貴重な機会となっています。

落語や色物芸能は、長い歴史の中で受け継がれてきた日本の文化です。その魅力を守り、次世代へ継承していくためには、多くの人が実際に体験し、その面白さや奥深さを知ることが何よりも大切です。

温泉地という特別な空間だからこそ生まれる、人と人とのつながりや交流も、この取り組みの大きな魅力の一つです。観光で訪れた方々が日本文化に触れ、地域との新たな出会いを楽しめる場としても期待されています。

日本の伝統芸能を未来へつなぐために、多くの方に足を運び、その魅力をぜひ体感していただきたいと思います。

取材を終えて:公認サポーター 加藤美奈子

日本には世界に誇る伝統芸能が数多くあります。その一つである「落語」は、笑いの中に人情や文化、日本人ならではの価値観が詰まった芸能です。しかし、時代の変化とともに、実際に寄席へ足を運ぶ機会は減り、テレビやインターネットで触れることが多くなっているのが現状です。私自身、リアルで落語を鑑賞したのは高校生の頃。それ以来、生で見る機会はほとんどなく、テレビで楽しむ程度でした。今回の取材を通して、伝統芸能を未来へつなぐために活動する協会の取り組みに触れ、「日本ならではの文化を途絶えさせない」という強い使命感を感じました。特に、海外から日本を訪れるインバウンドの方々にも落語や日本文化の魅力を伝え、文化の継承と発信を担っている姿勢は、とても意義深いものだと思います。伝統文化は、受け継ぐ人と、それを支える人がいてこそ未来へつながります。日本の文化を守り、次の世代へ、そして世界へと発信していく活動は、日本の大切な財産を守ることでもあります。私ももう一度、寄席で生の落語を味わってみたいと思いました。そして、多くの人が日本の伝統芸能に触れる機会を持つことが、文化を未来へつなぐ大きな力になるのではないでしょうか。
<組織概要>
団体名:温泉落語協会
会長:戸部 翔太
事務局:〒171-0031 東京都豊島区目白4-17-2
設立:2025年12月1日
事業内容: 1.落語および色物の情報収集、調査及び研究
2.落語および色物の活動場所の提供
3.落語家や素人落語家および色物枠の交流イベントなどの運営
4.認知症予防の推進事業
5.前各号に掲げる他、当法人の目的を達成するために必要な一切の事業
URL: https://onsenrakugo.jp/
Facebook: https://www.facebook.com/onsenrakugokyokai