ローカルSDGs アクションフォーラム

参加団体の活動紹介

どんな困難な中でも笑っていよう!
最貧困層への迅速な支援の重要性

NPO法人 DAREDEMO HERO

団体紹介

DAREDEMO HERO は、フィリピン・セブ島を拠点に、貧困層の子どもたちの教育機会を広げることを目的とした国際協力団体です。小学3年生から大学卒業まで継続して支援する包括的な奨学金制度を準備し、授業料・教材・給食・交通費・生活支援など、学びに必要な環境を整えています。奨学生の家庭環境は厳しいものの、多くが高い志を持ち、将来地域を支えるリーダーを目指して努力しています。

一方で、ごみの山や墓地など、過酷な環境で暮らす子どもたちには、ラーニングセンターを通じて学習支援や食事の提供、生活支援を行い、安心して過ごせる居場所をつくっています。さらに、リーダー育成、コミュニティ支援、災害時の緊急支援、日本との文化交流など多面的な活動を展開し、貧困の連鎖を断ち切り、地域の未来を変える人材を育てることを目指しています。

NPO法人 DAREDEMO HERO
HP https://daredemohero.com/

該当SDGs 目標番号

インタビュー

理事長 内山順子さん

理事長 内山順子さん

「笑えば元気に」に心打たれ

内山さんは精神保健福祉士として福祉分野に携わった後、世界一周の旅を経て視野を広げ、公務員として地域福祉にも取り組んできました。自分らしく生きられる場所を探し続ける中でセブ島と出会い、そこで暮らす人々の笑顔や、困難の中でも前を向いて生きる力強さに深く心を動かされました。この人たちとともに生き、未来をつくっていきたいと感じたことが、現在の活動の原点となっています。

2013年の台風ヨランダで約6,000人が亡くなった被災地に支援で入った際、壊滅的な状況の中でも人々が笑っていたことに、内山さんは強い衝撃を受けました。内山さんが被災者に理由を尋ねると「泣いていれば周りも苦しくなる。自分が笑えば周囲も元気になる」と話してくれたそうです。人のため、そして自分のために笑うその強さに、日本では出会えなかった生きる力を感じ、この人たちとともに生きたいと心から思ったことが、現在の活動を始める大きなきっかけとなりました。

「笑えば元気に」に心打たれ

最貧困層へのリーダートレーニング

内山さんたちは、貧困のために教育の機会を奪われ、将来の選択肢すら持てない貧困層の子どもたちが、夢を諦めてしまう現状を変えたいと考えています。日本人の私たちが「夢を持ちなさい」と伝えるのではなく、同じ地域で育った少し年上の先輩たちが、先生や医師、パイロットなど「誰もが諦めてきた夢」を実際に叶える姿を見せることで、子どもたちに本物の希望を届けたいと思っています。貧困の苦しさを知る若者たちが、将来地域のリーダーとして活躍することで、貧困問題を根本から解決する社会を目指しています。

DAREDEMO HEROでは、最貧困層の子どもたちに対して、授業料・教材費・給食・制服・交通費・生活支援まで含めた包括的な奨学金制度を提供し、小学3年生から大学卒業まで一貫して支援しています。特に、将来地域を支える存在となるためのリーダーシップトレーニングを重視しており、思考力・表現力・社会性を育む独自のプログラムを実施しています。また、日本の子どもたちにもスタディーツアーや交流を通じて学び合いの機会を提供し、国境を越えた相互成長の場をつくっています。初めて大学を卒業した奨学生が誕生した瞬間は、活動の意義を強く実感しました。厳しい環境から努力を重ね、社会へ羽ばたいていく姿は、未来を変える力が確かに育っていることを示してくれました。

また、災害やコロナ禍の支援活動では、地域の人々と協力して命を守る支援ができたことに深い使命感を覚えました。私たちが「支援を頂いている」と思っていた寄付者の方々から「自分ではできない活動を代わりに実現してくれてありがとう」と感謝の言葉を頂いたことは、大きな励ましとなり心に残っています。

最貧困層へのリーダートレーニング

価値観揺さぶる学びを

奨学生は12年の継続的な支援を経て、2年前から初の卒業生を輩出し、教員として活躍する者、日本で英語講師として働く者、商業パイロットのライセンスを取得した者、さらには日本語検定N5に合格した学生も生まれ、貧困層の子どもたちに大きな希望を与えています。一方で、卒業後の就労環境や地域全体の自立支援、支援対象を最貧困層全体へ広げること、安定した資金基盤の確保が課題です。また、長期的な教育支援を継続しつつ、災害や生活困窮で「今を生きることが難しい人々」への支援とのバランスを取ることも大きな課題となっています。

今後は、奨学生へのリーダーシップ育成を一層強化し、地域や国を動かす若いリーダーを育てていきます。また、卒業生が「DAREDEMO HERO Association」として力を結集し、仲間とともに大きな社会的インパクトを生み出してほしいと内山さんは願っています。さらに、最貧困層への支援や地域の自立支援にも取り組みつつ、日々の子どもたちの交流を通じて、互いに学び合い、高め合う関係を築くことを大切にしていきます。現地を訪れる日本の子どもたちにも、価値観が揺さぶられる学びの機会を継続的に提供していきたいと考えています。

価値観揺さぶる学びを

内山さんからメッセージ

どんなに厳しい環境に生まれた子どもたちでも、夢と志、そしてほんの少しの助けがあれば、自分の道を切り開き、社会を変える一歩を踏み出すことができます。私たち DAREDEMO HERO は、その「ほんの少しの助け」を届けたいと願っています。どうか、フィリピンの未来を担う若者たちの可能性を信じ、応援していただけたら嬉しいです。

取材を終えて:公認サポーター 市川潤子

内山さんの下のお名前が「じゅんこ」という点から、お会いする前から勝手に親近感を抱いていましたが、取材ではお互い真剣そのもので質問の掘り下げもヒートアップしていきました。

特に記憶に残った内山さんの言葉は「フィリピン人は、待つ天才。その日のうちに来ればいい。学校行事も2~3時間遅れは当たり前。スーパーのレジは1時間待ちが当然で、レジ打ちのスタッフもおおらか。ひざの上までの冠水だって、日常的にある。だから、待つ天才なのです」。その地で社会貢献をしている内山さんという日本人がいることを、心から尊敬しました。
<組織概要>
団体名:NPO法人 DAREDEMO HERO
所在地:〒662-0051 兵庫県西宮市
設立:2013年4月 (法人格取得 2019年5月9日)
事業内容: 教育支援(奨学生支援、小~大学)
地域支援(貧困層の自立支援、生活改善支援)
災害・緊急支援
文化・国際交流
リーダー育成
ボランティア受入れやコミュニティ支援等
URL: https://daredemohero.com/