株式会社ヨークベニマル
団体紹介
食料品を中心としたスーパーマーケットを福島県・宮城県・山形県・栃木県・茨城県の5県で展開しています。食料品のほか、日用雑貨、家庭用品などの住関連商品や衣料品の販売を行っています。「地域のお客様の日常の食卓をより豊かに楽しく便利に」するために、イトーヨーカドーをはじめとするヨーク・ホールディングスの一員として、情報力や商品力を生かしながら、顧客の立場に立った商品開発やサービスに努めているといいます。

HP https:///yorkbenimaru.com
該当SDGs 目標番号
インタビュー
総務室室長
江渕和行さん

247店舗のフードバンク
1991年筑波大学卒業、ヨークベニマル入社。開発室マネジャーや店舗の店長などを経て2020年人事室室長(執行役員)、2024年から現職。同社では家庭から賞味期限が来ていない食材を寄付してもらう活動である「フードバンク」を担当しています。
2019年からセブン&アイ・ホールディングス本社(東京都千代田区)で年2回(3月、10月)の3日間、従業員が家庭で使い切れない食品をフードバンクなどの団体へ寄付をしていました。2020年6月からはイトーヨーカドーやセブンイレブンなど傘下の事業会社の店舗に、ボックスを設置して食品の寄付を集めるフードドライブ事業をスタート。ヨークベニマルでは2023年5月に、福島県郡山市内の2店舗からスタートし、2025年8月には250店舗のほとんどでフードドライブ事業を行っています。

支援団体との連携
ヨークベニマルではサービスカウンターの脇など店内に食品回収用のボックスを設置し、客が自宅から持参した食品をボックスに入れて、それをまとめて子ども食堂などの団体に渡しています。回収できる食品には条件があり、「内装が破損していない未開封のもの」「賞味期限が明示され、その期限が1カ月以上残っているもの」「常温保存できるもの(穀類・缶詰・レトルト食品・インスタント食品・お菓子・乾物・調味料・飲料など)」。なまものや酒など対象外の食品が入っている場合は店舗で廃棄するといいます。
回収した食品は、子ども食堂支援団体やフードバンク、フードパントリーの実施団体が月1-2回、定期的に回収しているそうです。支援団体とは回収食品を販売などに流用しない契約を交わしています。

毎月4トンのロス削減
一般の客が気軽に参加でき、家庭で消費しきれない食品を提供することから、各店舗でばらつきはあるものの、平均して毎月4トン以上を回収し、食品ロスの削減にも役立っているようです。課題は、米価の高騰や食品価格の上昇に伴い、25年度は前年度に比べ回収量が減少している店舗が多いことです。数十キロ回収している店舗がある一方、数キロにとどまる店舗の格差も解消していかなければならないといいます。ボックスの場所やアピールのしかたで回収量が変わってくるとされ、全体的に回収量を上げる取り組みを検討するといいます。
回収を担当する子ども食堂の支援者の方からは、本当に食べるものがなくて非常に困っている家庭があることを聞きます。今の日本でもそのような厳しい現実があることを知ったそうです。一方で子ども食堂やフードバンクを運営している方々が、ボランティアとして献身的に活動している姿は非常に感動的で、この方々がいるからこそ、子ども食堂が地域や子どもたちにとって大切な居場所になっているのだと感心しています。
ヨークベニマルはフードドライブ事業の他に、店舗出店エリアの5県の子ども食堂に2021年から米と袋ラーメンの寄付を行っています。活動を継続していくとともに、同じ思いをもつ他企業とのネットワークをつなげて、幅広く子ども食堂の支援の輪を広げていきたいと話しています。
江渕さんからメッセージ
食べきれないから、必要ないからといって食品を捨ててしまうのであれば、ぜひともフードドライブへご協力ください。皆さんの善意が子どもたちの笑顔につながります。未来を担う子どもたちが明日の日本を支えてゆけるよう支援してまいりましょう。
取材を終えて:公認サポーター 市川潤子
「フードドライブに参加して下さる所は年々増加しているのですが、ご寄付の回収量が毎月減少傾向になるのです。そこが直近の課題ですね」。物価高騰、増税、スタグフレーションと自身も含め、国民全体が疲弊していると感じる昨今ですが、江渕さんはその後も淡々と現状分析を冷静にお話してくれました。
時のリーダーとは、このようにどんな状況でも冷静さを求められるのではないでしょうか。なぜならば、江渕さんは就任わずか1年足らずで、この事業を100店舗まで増やしたやり手のリーダーだからです。取材中の優しいほほえみが印象的だったのですが、穏やかな一面とは別のスピード感ある実行力は驚愕の感情を覚えました。どうかこれからも、たくさんの方々を救えますように。栃木県宇都宮市石井店の大林様も取材の尽力をいただきき、誠にありがとうございました。