ローカルSDGs アクションフォーラム

参加団体の活動紹介

アートでつなぐ“共に生きる”
未来のまちづくり

社会福祉法人征峯会

団体紹介

社会福祉法人征峯会(せいほうかい)は、1986年に茨城県筑西市で設立された社会福祉法人で、「最高の笑顔をあなたに」を理念に、多様なニーズに応える福祉サービスを提供。障がい者、高齢者、児童、相談支援など、6部門にわたり施設を展開し、「地域交流・地域貢献」を重視しながら、日本の福祉を魅力的にリードする存在を目指しています。

多様な施設には、障がい者支援施設「ピアしらとり」、障がい児・者 通所支援センター「ライフサポートヒラソル」、グループホームなどがあり、障がいの有無に関わらず「その人らしく」明るく暮らせる支援に注力。こうした取り組みの一環として、障がい者アートをまちづくりや地域文化に活かす挑戦が始まりました。

社会福祉法人征峯会
HP https://seihoukai-group.jp/

該当SDGs 目標番号

インタビュー

社会福祉法人征峯会 事業推進室 課長
小野瀬順子さん(社会福祉士)

社会福祉法人征峯会 事業推進室 課長 小野瀬順子さん(社会福祉士)

誰一人取り残されない社会へ

長年、社会福祉士として障がい者支援や地域福祉に携わり、現在は事業推進室の課長として、地域と連携する新たな取り組みを推進している小野瀬さん。「“誰もが参加できるまち”“誰一人取り残されない社会”というSDGsの理念に共鳴し、障がい者アートの力で地域共生を具現化するプロジェクトを起こしました」とのことで、アートの力を通じて、地域に『共に生きる』空間と共感を広げるべく活動をしています。

『元気をもらえる』『色使いが素晴らしい』

「第一弾として、知的障がいのある方が描いた3×7mの巨大アートパネルを、市役所ロビーに常設展示しました。来庁者からは『元気をもらえる』『色使いが素晴らしい』と多くの感想が寄せられ、地域にポジティブな空気を広げました。第二弾では、保育園年長児46名、障がいのある方21名、市長や行政関係者も含めたワークショップ(計102名)で共同制作しました。世代や立場を超えて一緒に作り上げる過程自体が“共生”を象徴する体験であり、2025年9月にはこの新作が掲示される予定です」と小野瀬さんは、現在企業や行政との協働にも力を入れています。株式会社アンドエスティHDの特例子会社であるWeOurの監修により障がい者アート20作品を用いたオリジナルアロハシャツを製作。これにより、障がい者アートがファッションを通じて地域に広がり、自己表現と社会参加の新たな形が生まれたとのことです。
誰一人取り残されない社会へ
誰一人取り残されない社会へ
また、来福酒造とのコラボでは日本酒ラベルにアートを採用し、販売1本ごとに作家本人に還元する仕組みを導入。さらに、ふるさと納税の返礼品用米袋や、下館駅のストリートピアノ装飾にも作品を活用。生活のさまざまな場面にアートを届け、誰もが自然に触れられる環境を整えています。
誰一人取り残されない社会へ
誰一人取り残されない社会へ

偏見を乗り越えた瞬間

「成功点は、異世代と行政が共に創作する現場を通して、『共生』の空気がまちにしみ込んだことです。また、企業とのコラボを通じて障がい者アートが経済活動と結びつき、社会参加のステージを広げられたことも大きな成果です。一方、今後はこうした場を持続する担い手づくりや、アート以外の共創の広がりをどう育てるかが課題です」という小野瀬さん。印象に残ったエピソードは展覧を見た保護者や職員が涙を流し、ご利用者様の描いた一枚が多くの人の心を動かす姿に、アートの力を再認識したという。市役所で作品を見た市民から『障がい者の作品とは思えない』という声もありましたが、それ自体が偏見を乗り越える大切な瞬間だったと感じたといいます。
偏見を乗り越えた瞬間
偏見を乗り越えた瞬間

未来への展望

小野瀬さんは今後も行政や企業との連携をさらに深め、“誰ひとり取り残さない共生の場”を増やしていきたいとのこと。アートを媒介に、多様な人々が自然に関わり、まちづくりの担い手になれる未来を描いています。将来的には、障がい者アートをまちのブランドとして定着させ、全国に発信することも視野に入れています。これらの取り組みでは、収益の経費を除いた分がすべて障害を持つ作家本人に還元されます。「選ばれた」という誇り、創作による社会参加、そして収入によって得られる新たな体験。このことが何よりも大切だと考えています」(小野瀬さん)。

小野瀬さんからのメッセージ

アートには人の心をつなぐ力があります。障がいの有無を超えて、人と共に創り、共に喜べるまちを、私たちと一緒に始めませんか。一歩の行動が、住み続けられるまちへの第一歩となります。

取材を終えて:公認サポーター 塩田忠則

小野瀬さんの最後のメッセージがとても印象的でした。「この子を産んでよかった、育ててよかった。とご家族に感じてもらいたい。」との言葉。

彼女も実は、障害を持つ当事者の母です。この事業を力強く進めている原動力は子を思う母の愛なんだと思います。アートが人々の心を結び、障害があってもなくても誰もが物心共に豊かになることが出来る。そして力を合わせて地域の風景を変えていく力を身につけることが出来るんだと実感しました。SDGsの理念を“共生のかたち”として具現化する征峯会の取り組みは、まちづくりの新たなモデルになると感じました。
<組織概要>
団体名:社会福祉法人征峯会
所在地:〒308-0067 茨城県筑西市上平塚590-1
設立:1986年
事業内容: 福祉事業所運営
URL: https://seihoukai-group.jp/