特定非営利活動法人リカバリー
団体紹介
NPO法人リカバリーは20年以上、さまざまな暴力被害を背景とした依存症をはじめとするメンタルヘルスの不調や障害などで複層的な困難を抱える女性に対し、住居提供や就労支援などの包括的援助を続けてきました。法務省より委託を受けた「女子依存症回復支援プログラム」や障害者総合支援法の障害福祉サービス(訓練等給付費)などを活用して当事者の支援をしてきましたが、既存の制度の枠組みでは、数種の困難が絡み合った状況にある女性たちがどうしてもはざまにこぼれ落ちてしまいます。制度や機関の限界を理由に諦めかけることも多い中、彼女たちに必要な制度の枠を越えた新たなチャレンジを続けていきたいと考えています。

HP https://npo-recovery.org/
該当SDGs 目標番号
インタビュー
代表 大嶋栄子さん

回復のための太陽
Recovery(リカバリー)という言葉は、病気や障害によって失ったものを取り戻すことを意味します。病気そのものは元に戻せないかもしれませんが、自分が望む生活を実現する力や夢は取り戻すことができます。2002年9月、さまざまな被害体験を背景に、病気や障害に苦しむ女性への援助を目的として、NPO法人リカバリーを立ち上げました。この団体は、人の中で負った傷は人の中で回復していくものだと考えています。暮らしの営みを通して、人は変化し、成長していくと信じています。2018年からは、通所のみではありますが、男性の受け入れも開始しました。同法人は「くらす」「はたらく」「しらせる」「つどう」の4事業を行っています。施設名はいずれも「それいゆ」。それいゆはフランス語で太陽。困難を抱える方々の心の奥深いところにある「回復のたね」が芽を出し、成長していくために欠かせない、お日様のような存在でありたいという思いからの名前です。
オアシスを目指して
「くらす」事業は、女性や生活に困難を抱える方々が安全に暮らせるよう支援を行っています。「相談室それいゆ」「リビングサポート・それいゆ」では生活全般のサポートを提供し、「リカバリーハウスそれいゆ」では安心して過ごせる場を提供しています。
「はたらく」事業は、女性や生活に困難を抱える方々に就労の機会を提供する「トラヴァイユ それいゆ」を運営しています。トラヴァイユでは、カフェの運営や小物・アクセサリーの製作、ソーシャルファームでの農作業などを行っています。
「しらせる」事業は、リカバリーがこれまでに培ってきたノウハウや経験を生かし、専門職の方や一般市民の方々に向けた研修や講演を行っています。テーマは、身近な内容から専門的な知識まで多岐に渡ります。
「つどう」事業は、新型コロナウイルス感染症の影響で直接集まることが難しくなったことを受けて、失われた「集いの場」を提供するための新たな取り組みをスタートしています。
トラウマから立ち直るきっかけ
「意思が弱いから酒やクスリを止められない」。大嶋代表が精神科病院で働き始めた頃、依存症にはそういうスティグマ(偏見)が張り付いていて、自身も例外ではなかったという。そこには自分が担当している数少ない女性がいて、依存症になったことへの罪悪感と恥の感覚に苦しんでいたそうです。彼女たちといろいろな話をすることで、お酒に酔う背景にたくさんの暴力被害があることを知りました。個人の失敗どころか、そこへと追いやる仕組みの中でどうにもならない現実があるのを知ったといいます。
やがて医療の限界を感じて、女性たちが安心して暮らせる、居られる場所を地域の中につくろうと立ち上げたのが「それいゆ」でした。トラウマを抱える女性たちの生活をさまざまな角度から支える日本で初めての事業として2002年に始まりました。
大嶋さんからメッセージ
2025年の今、女性たちが抱える逆境はますます交差し、横断するケアが求められています。このたびNPO法人リカバリーはその横断を可能にする仕組みづくりを始めます。自傷が少なくなる、カフェや畑で働く機会が増えるなど、彼女たちの小さな変化は周囲の人たちにとっても次の希望へとつながります。どうぞ私たちの新しい挑戦を応援してください。一緒に彼女たちが起こす小さな奇跡の場面に立ち会ってください。皆様のご協力を心からお願い申し上げます。
取材を終えて:公認サポーター 加藤美奈子
大嶋さんとのご縁は、Japanese Women’s Leadership Initiative(JWLI)という団体が運営するオンライン研修でした。赤ちゃんを抱いていたので、最初はお孫さんかなと勝手に思っていましたら、支援をされている女性のお子様で、大嶋さんはとても優しい笑顔であやしていました。大嶋さんは、年を重ねてもブレーキをかけることなく改善改革し、前に進み、東京にも事業を立ち上げていらっしゃるので本当に尊敬いたします。住まいは北海道ですが関東まで移動されるバイタリティも重ねてすばらしいです。私もいくつになっても大嶋さんのように元気で明るく生きていきたいです。