栃木県立宇都宮北高等学校
団体紹介
宇都宮北高校は1980年、国際理解教育の拠点校・推進校として開校しました。「人間性豊かで、我が国の伝統・文化を理解し、国際感覚をもって社会で活躍する人材の育成」を教育目標に掲げ、生徒数約960名、これまで13,000名を超える卒業生がいます。志願者数・在籍者数ともに県内有数の人気校・大規模校として知られています。

HP https://www.tochigi-edu.ed.jp/utsunomiyakita/nc3/
該当SDGs 目標番号
インタビュー
校長 佐藤弘道さん

共感力が必要
1989年に立命館大学卒業後、市立中学校で教員としての第一歩を踏み出しました。県立高校教員として県内3校で勤務したあと、2005年には県教委事務局総務課で高校再編に携わりました。14年に現場に戻り、複数校で教頭を務め、21年に校長職となり、24年より宇都宮北高校校長となりました。
着任の年は全県立高校のスクール・ミッションが本格始動した年で、元来学校の特色化や魅力化に強い関心があったため、学校の存在意義や方向性を見つめ直す好機と捉えました。併せて総花的・散発的になりがちな「特色ある教育活動」に統一感と目的意識を持たせ、生徒の共感力や社会性・自己肯定感を育むことが、これからの時代に必要だと強く感じたそうです。

2本柱で人材育成
社会の急速な変化により、人間関係や社会とのつながりが希薄化し、高校生の共感力や自己肯定感の低下が課題となっています。県立高校が社会の知的インフラとして「生徒たちのアイデンティティの拠り所」などの役割を果たし続けていくため、その意識付けや組織をどのようにアップデートしていくかということを喫緊の課題として認識しているそうです。
「グローバルにもローカルにも活躍できる人材の育成」というスクール・ミッションを具現化するため、これまでの取り組みについて、2本柱から成る「特色ある教育活動」に整理・統合し、これまで散発的だった活動を再構成しています。さらに各取り組みの意味付けを明確化することで、全体に統一感を持たせました。
1つの柱は「探究活動」で、主にローカルな視点を意識した取り組み。地元の自治体や大学の協力の下、個人やグループでの主体的な研究を通して、地域の課題を発見し解決する能力を高めることです。2つ目の柱は「IEA(International Education Activities)」で、主にグローバルな視点を意識した取り組みです。海外留学や国内での異文化交流などを通して、国内外の多様な環境や文化を学びます。

特色を体系化・図式化
「特色ある教育活動」を体系化し図式化したことで、この学校の目指す姿が外部にも明確に伝わるようになったそうです。それに伴って校務分掌も大幅に改正したこともあり、教員間でも取り組みの連携が進み、教育効果の向上が期待されています。今後は、活動の継続性と生徒の主体性をさらに高める仕組みづくりに取りかかりたいと考えています。
再構成した「特色ある教育活動」をさまざまな場面で説明していく中で、地元の方々や多くの中学校の校長先生から「宇北高の目指す姿が明確で分かりやすい」と高い評価を得たことは、地域に根ざした学校としての信頼を実感し、大きな励みとなったといいます。
未来への展望としては、スクール・ミッション具現化に向けた本校の取り組みは現在緒に就いたばかりで、今後はより戦略的な広報を進めるとともに、活動の主体である生徒の声に常に耳を傾け、活動により一層「生徒目線」を反映したいと考えているといいます。さらに今年度校内に設置した「学校課題検討委員会」を活用して常に実効性を検証しながら、さらなる魅力ある学校づくりを目指したいそうです。

佐藤さんからメッセージ
これまで述べてきた取り組みを具体的に形にしていくのは、私を含めた現場の教職員です。教育の質を左右するのは、やはり教員の情熱と創意工夫に他なりません。教育という営みに対する深いリスペクトを私たち自身が常に胸に抱き、誇りを持って歩んでいくためにも、教職員が前向きに、生き生きと働ける環境づくりを何よりも大切にしたいと考えています。これからも県立高校は、時代の変化に応じてますます活力を高め、魅力を増していくはずです。その歩みを、どうか温かく見守っていただければ幸いです。
取材を終えて:公認サポーター 市川潤子
あなたは「校長先生」とは、どのようなイメージをお持ちでしょうか。朝礼の話が長いとか、普段なかなか会う機会がないとか――。佐藤校長は校長室を常に開放していて、生徒たちと一緒にランチを食べたり、相談がある生徒が気軽に訪れたりするそうです。生徒が心を開いているようで、取材でも、ひょうきんで常に笑っている印象が深く残っております。開口一番、ご自身の趣味が「ぼっち(別名:ソロ)キャンプです」とおっしゃって、頂いたお茶を噴き出してしまいました。「北高が好きすぎてね、北高LOVEって書いたTシャツをスポーツ大会で着たのです。すべった時にいたたまれないから、教頭も巻き込んでね!」。好奇心旺盛で、いたずらな表情でしたが過酷な教育現場の先陣を切っているからこその、ユーモアたっぷりの取材でした。