ローカルSDGs アクションフォーラム

参加団体の活動紹介

新時代の農業経営ここに参上!

十文字ヴィレッジ株式会社

団体紹介

地域の農地を生かし、人が生きていくうえで必要な食を作り出す会社です。野菜や果物の栽培から販売・加工して地元中心の直売での販売、飲食店への卸売り、都内の百貨店や飲食店への販売もしています。さらに地域の特性を生かしたキャンプ場を経営。現在は、新鮮野菜のおいしさを多くの人に知ってもらうための朝採り野菜を中心としたサラダバーを建設中といいます。

十文字ヴィレッジ株式会社
HP https://jumonji.farm

該当SDGs 目標番号

インタビュー

代表取締役 飯野陽彦さん

代表取締役 飯野陽彦さん

農業人口増やしたい

1999年、株式会社オルビスに入社し、2010年に常務取締役、2019年に同社を退社し、2019年、十文字ヴィレッジ株式会社を設立しました。2011年の東日本大震災を東京都内で経験し、パニックの中、都会のもろさを実感しながら、食料自給率の低い日本の食料事情の将来への不安を、強く感じたそうです。

食料自給率の低い日本で農業の後継者不足と高齢化による耕作放棄地が増加し、その農地を利用してエネルギー事業に特化する企業も増加しています。人間が生きるうえで必要な食を作り出す農地の減少を食い止め、食を作り出せる農業人口を増やすことを目標に掲げています。

農業プラスで活性化

農業に参入しやすい仕組み作りをしてきました。法人として利益の出せる農業を実践し、雇用から農業に興味を持ってもらい、地域の課題である後継者不足による耕作放棄地を借り受け、再生し、野菜を栽培して加工も手がけています。農業だけではなく観光を取り入れ、農業体験、収穫体験ができるキャンプ場を経営し、農業だけではなく、国も推進している「半農半X」を実際に行い、地域活性化を図る事業も行っています。

さらに子どもたちの食育事業にも取り組んでいて、大根の種まきから収穫、干し大根にして、それをたくあん漬けにするまでの一連の作業を、小学3年生が対象の学校の授業で行っています。キャンプ場のお客様が農業体験をし、リピーターが非常に多くなり、収益アップにもつながったとのこと。農業に興味を持つ経営者が訪れ、取り組みに賛同し、地域の農地を借り受けて、本業とプラスで農作物の栽培を始める企業が増えてきたそうです。そこで、移住促進にもつなげたいが、農地が多い地域なので、家を建てるのが難しいのが現実。空き家を活用したいものの、持ち主がいない、手続きが煩雑で話が進められないことが直近の課題といいます。

農業プラスで活性化

採れたての感動がリピーターになる

特に印象に残っている出来事は、採れたて野菜をその場で食べた子どもたちが「こんなおいしいもの食べたことがない」と喜び、その後も通ってくれる人が増えていることだそうです。

今以上に農業を通じて、自分が地域で行っている取り組みと、農地・土の大事さをたくさんの人に知ってもらい、同じような課題を抱えているたくさんの地域で、それをクリアできるような仕組みづくりを伝えていきたいといいます。

採れたての感動がリピーターになる

飯野さんからメッセージ

人が生きるために絶対に必要な食べるものを作り出せる土がなくなってしまったら、この先の日本は危機的状況だということを知ってほしい。ITや商売ももちろん必要な産業ではあるが、食の大事さを忘れず、少しでも日本の食料のことを考えてほしい。

自然を相手にする農業は確かに大変であることは事実だが、売り先のことなどをうまくすればこれほど稼げる職業はないし、四季を感じて自然の中で生きられて、人間社会で起きるようなストレスのないすばらしい取り組みを実感してほしい

取材を終えて:公認サポーター 市川潤子

過疎の地域が国内には年々増加傾向にありますが、飯野さんが2か所からスタートした畑は、地域の皆様から託されて、約5年でなんと34か所に増えたそうです。「生まれ育った場所を、守りたいのです」。この言葉を取材中に何度聞いたか、数えきれません。それほどの危機感と、愛情の中にある覚悟がインタビューから伝わってきました。

「東日本大震災のときに、丸の内から埼玉県の川越市まで約42km徒歩で移動したのですよ。震災直後は都内大混乱で、コンビニには食料は無い、自転車で移動したくてもみんな同じことを考えていて売り切れ。8時間かかりましたけど、その移動中に今後の人生を考えられましたね。それにね、自分は高校時代自転車で毎日往復44kmの距離を通学してなおかつバレーボール部だったので部活もしていたので、大したことなかったです」。サラッと明るく話しましたが、気が遠くなる距離です。

物事の捉え方についても、仕事のそれについても、飯野さんのタフさは随所にちりばめられていました。企業と農地のマッチングのビジネスにも参入され、着眼点も鋭いのが大変勉強になりました。「土を離れたら、生きていけないですよ」。最後の一言まで、現代人への警鐘を鳴らしてくださる言葉でした。ゴール13の「気候変動に具体的な対策を」は群馬県の土を守る飯野さんに託したいです。時間が全然足らないほどの真剣な取材後、私もすぐに畑へ行き農作業をしました。
<組織概要>
団体名:十文字ヴィレッジ株式会社
所在地:〒370-3331 群馬県高崎市十文字町416-1
設立:2019年12月3日
事業内容: 野菜の栽培、卸売、加工、販売。観光事業(キャンプ場経営)
URL: https://jumonji.farm