ローカルSDGs アクションフォーラム

参加団体の活動紹介

外国ルーツの子どもの負担軽減を
自分の夢に向き合うために

特定非営利活動法人共に暮らす

団体紹介

包括的な支援構築目指して

特定非営利活動法人共に暮らす(ともくら)は、外国にルーツのあるこどもたちにスポットを当て、「ことばのヤングケアラー」の負担軽減を目的とした支援活動を行う団体です。多文化共生や異文化理解を推進するために、情報発信、言語サポート、イベント企画など幅広い取り組みを行っています。専用アプリや多言語情報サイトを活用し、外国ルーツの子どもたちが安心して暮らせる社会を目指しています。将来的には行政や他団体との連携も強化し、包括的な支援体制の構築を目指しています。

特定非営利活動法人共に暮らす

該当SDGs 目標番号

インタビュー

代表理事 アジズ・アフメッドさん

代表理事 アジズ・アフメッドさん

日本語も制度もわからない―

アジズさんは日本語が全く分からない状態で、9歳の時に家族とともに日本へ移住しました。10歳の頃から、親の通訳や役所手続きの代筆をするようになり、日本語や日本の制度の難しさに直面しました。その経験を活かし、外国ルーツの子どもたちの負担を軽減し、キャリア形成に集中できる環境づくりをしたいと考え、2023年に特定非営利活動法人共に暮らす(ともくら)を設立しました。現在は代表理事として、社会教育や多文化共生の推進に尽力しています。

日本に来た当初、アジズさんは学校生活や社会のルールに戸惑うことが多く、親のサポートに追われる日々を送りました。特に行政や病院での通訳・手続きは大きな負担でした。このような課題を持つ「ことばのヤングケアラー」にもっと光を当てたいと感じたのが活動のきっかけです。自身の経験が、多くの子どもたちを支援する原動力となっています。ヤングケアラーに関する厚生労働省の調査結果や、日本に住む在留外国人の増加傾向も、活動を本格化させた要因です。

日本語も制度もわからない―

どこへ行っても不便な状態

ともくらが取り組んでいるのは、「ことばのヤングケアラー」の負担軽減です。対象のケアラーは日本語が不自由な親に代わり、行政や病院の手続きを行うことで、勉強や将来のキャリア形成に集中できません。この状況を改善し、自分の人生に向き合える環境を整えたいと考えています。外国ルーツの家族が安心して暮らせる社会の実現も目指しています。特に日本語教育の不足や生活習慣、法律、行政手続きの壁を取り払うことも重点を置いています。

ともくらでは「ことばのヤングケアラー」に焦点を当て、彼らとその家族に向けた多言語での情報発信や支援活動を行っています。具体的には、行政や教育制度をわかりやすく説明する動画や記事を多言語で制作し、WEBやSNSを通じて提供しています。学校現場での言語サポートや、地域イベントの企画も行っています。さらに、専用アプリの開発も進めています。将来的には、アクセスするだけで日本の制度や文化が一目でわかる情報プラットフォームの構築も計画しています。

どこへ行っても不便な状態

SNSと動画で共感と支援

活動により成功した点は、情報発信の効果により「ことばのヤングケアラー」への理解が徐々に広がっていることで、SNSや動画の活用で、多くの方々から共感と支援があったという。一方で、情報提供の継続的な強化や、さらなる支援体制の拡充が今後の課題。行政機関や教育機関との連携をより深めていく必要があり、外国ルーツの家族が孤立しないよう、ネットワークづくりにも力を入れていくという。これまでの活動を通して多くのこどもたちと関わり、ともくらの企画に参加することがこどもたちの居場所になってるようです。

ある小学生の女の子が、病院で家族が亡くなったことを親に通訳をする状況に置かれている現状があり、とても衝撃的で印象に残っているという。彼女は日常的に親を支えている中で、自分の夢に向き合う時間がほとんどありませんでした。子どもが担うべきでないことを担い、犠牲になっている現状は早急に改善が必要であると考えています。その姿も含め、改めて「ことばのヤングケアラー」の負担軽減の重要性を強く感じたという。この経験は団体の活動への大きな原動力となっており、こうした子どもたちの声を行政や学校にも届け、制度改善に向けた働きかけも行っているという。

今後は、地域社会全体で「ことばのヤングケアラー」を支える仕組みを構築し、行政や学校とも連携していく予定。多文化共生の啓蒙活動やイベントも継続し、誰もが暮らしやすい社会の実現に向けて邁進していくとし、生活者(外国籍)に向けたコンテンツ制作や、異文化理解をテーマとした教育プログラムの開発も視野に入れています。

SNSと動画で共感と支援

アジズさんからのメッセージ

私たちの活動に少しでも関心を持っていただき応援していただけると嬉しいです。「ことばのヤングケアラー」という課題は、まだ十分に知られていない社会問題です。彼らが笑顔で将来に向かえる社会を作るために、皆さんの力をお貸しください。一緒に、多文化共生の新しい未来をつむいでいきましょう。情報提供や寄付、イベント参加など、できる形でご支援をお願いいたします。

取材を終えて:公認サポーター 市川潤子

アジズさんは、小学生の頃から7年間図書委員をしていました。日本語がわからなくて、一人静かに大好きな本を読む少年だったそうです。日本語を習得するのに6年もかかり、その間に経験した苦しみや悲しみは壮絶なものだったと言います。このようなご経験が、まさに団体設立への原動力となったのでしょう。しかもアジズさんは中学生時代に、図書室で騒ぎ荒らす生徒たちに頭を抱え、風紀を正す為のPR動画を学校側と連携して作成しました。その行動力と、動画の質に、取材では驚かされました。外国籍の子どもがいる親御さんでも、日本語が理解出来ず困惑している方がいらっしゃいますが、そういう方の為にお子さんの三者面談の代理もしているそうです。つまりアジズさんは、みんなの頼れるお兄ちゃんのような存在です。本業では、制作会社を経営しBtoBの事業をされていますが、どの分野にも精通する教養もお持ちでした。ゴール10の「人や国の不平等をなくそう」は、アジズさんの団体が実行しています。そのご活動に助けられている子どもたちの成長を、願わずにはいられません。どうか、心豊かに日本で過ごせますように。
<組織概要>
団体名:特定非営利活動法人共に暮らす
所在地:〒371-0021 群馬県前橋市住吉町1丁目4−1 302号室
設立:2023年8月
事業内容: •多文化共生の啓蒙セミナー・イベント事業
•こどもたちに向けた学習支援の環境づくり
•教育制度や行政制度を多言語で説明する動画・情報サイトの運営
•学校現場での研修サポート
•SNSを活用した多言語情報発信
URL: https://tomokura.org