FLATワークス
団体紹介
宇都宮市の指定を受け障害福祉サービス「障害者就労継続支援B型事業」としてFLATワークスを運営しています。地域とのつながりを大切にし、利用者の社会参加の機会拡大に努めています。利用者が仕事をしながら安心して過ごせる場所の提供に努め、利用者の工賃向上を目指しています。
HP https://asiston.org/
該当SDGs 目標番号
インタビュー
アシストン株式会社代表取締役社長
鳥取弘美さん
必要な人に美味しい食事を
都内企業勤務後、結婚、出産、離婚を機に実家である宇都宮へ転居。子どもに障がいがあることをきっかけに心理学に興味を持ち大学へ。学んだことを活かし社会貢献ができたらと就労継続支援B型事業「FLATワークス」を立ち上げました。ご支援いただいていた「村井クリニック」の考えに賛同し、月1回2時間程度厨房の貸出をすることになりました。村井クリニックの取組において厨房提供という形で参加させていただき社会貢献の一助となれれば良いなと考えております。しかし、せっかく美味しい食事を作っているのに「本当に必要な方に届いているのか」、「この活動をどのように世間一般に認知して頂くのか」、「必要とする方から手を挙げられるようなシステムの構築は、どうするのか」などが課題であると感じています。
厨房の有効利用が成功
FLATワークスは就労継続支援B型事業です。一般就労が難しい方の仕事と居場所の提供を主にやっています。地域の方と触れあいながら、社会参加を促すための場所が併設施設のFLAT Caféです。カフェでは、お皿を拭く、洗う、配膳、清掃、洗濯の作業をしてもらいます。ワークス側では、主に内職作業を行っています。新聞の折り込み作業、封入作業、部品の袋詰め、シール貼り、文書裁断、施設外就労は地域の企業に出向いて作業、畑で農作業や花苗の栽培(パンジー・ビオラ)や水やりをしています。その中での成功点と課題点は、下記になります。
成功
僅かな時間ではあるが、厨房の有効活用ができた。
利用者の社会参加の場を増やすことができた。
課題
厨房を貸すことにより、利用者の社会参加が促進されが、利用者の工賃が生まれる仕組みを構築すること。
見えてきた未来への展望とは
この取組により、障がいがある方にできるお仕事が増え、生き辛さを抱えながらも支援することで、安心して社会参加できる場所に成長していきたい。利用者さんが仕事につながれるお手伝いをもっとしたい。出来る内容は限られてしまうとしても、手伝いではなくてお金になる事自体が、ご本人たちの自信と励みになると思っています。外部の方々と協働出来るのは、利用者さんにとって生きがいです。
利用者さんの親御さんから「居場所を作ってもらって有難う」と言われるのが本当に嬉しい。親御さんとの話題の共有が出来るようになった、そのつながりも助かっています。サービス管理責任者がそのつながりを丁寧にフォローしてくれていますので、安心しております。沢山の方のご尽力あって、仕事が生まれたり、利用者さんやそのご家族との関係構築が出来たと感謝しています。しかも、村井クリニック様のお陰で医療機関の皆様とのつながりも出来て、そこは宝物です。
鳥取弘美さんからのメッセージ
障がいがあってもなくても、同じ社会の中で安心して生活していける社会になれるようまずは、自分の事業からしっかりと地に足をおいて活動していきたいと考えております。皆様のご理解とご支援の程宜しくお願い致します。もしもあなたが孤独を感じていたとしたら、是非FLAT Caféに来て下さい。私も孤独を感じていてのスタートでした。子育てと仕事を同時進行しながら、誰にも相談出来ない不安も抱えていました。ですから、あなたの孤独を私たちが受け止めます。
取材を終えて:公認サポーター 市川潤子
ゴール8の「働きがいも経済成長も」。それはFLAT Caféに存在します。鳥取さんご自身が3人の発達障がい児の子育てを経て「孤独からの解放」をしたかった思いが、バネになっていました。孤独をご経験されているからこそ、その思いが手に取る様に理解出来るのです。3人の子育てと同時進行だった開店までの壮絶な準備。わが子が発達障がい児ゆえに、学校からの呼び出しが頻繁にあったそうです。複雑な気持ちだったはずです。だからこそ、利用者さんの親御さんたちから「居場所を作って下さって、有難う!」と感謝される言葉が励みになった事でしょう。「居場所が出来て楽しかったのですが、今度は責任がのしかかってきたのです。でもね、何だかやっと『社会を知ることが出来てきた』って成長出来ている自分に気付けたの」。これ程までに優しくて謙虚な方を、応援せずにはいられません。