ウイズテック株式会社
団体紹介
捨てる・使えるの分別も
1992年日本公共サービス(株)としてスタート、2000年にウイズテック(株)に社名変更。栃木県内で産業廃棄物収集運搬、宇都宮市内で一般廃棄物収集運搬、栃木県内でビルメンテナンス業・清掃業。2006年から空家問題・ゴミ屋敷問題・遺品整理・孤独死物件(清掃・整理)を中心に社長自ら現場にて見積・作業を経験し、全ては現場からをモットーに、今も現場に足を向け相談に応じ、現場作業を行う毎日。そして被災地の復興にも尽力している。各ご家庭の家の中・家の外・物置・倉庫、若年者・ご高齢者の認知症等で自分の物さえ忘れてしまう中、それが兄弟の物、父母、叔父叔母まで確認し、やっと捨てるもの、まだ使える物の分別。更には、リサイクルする物も対応する。「もし孤独死の場合は、誰が整理片付けするのか?」。その悩みを解決する会社です。
該当SDGs 目標番号
インタビュー
代表取締役社長 磯貝太さん
やり直しを応援
高校卒業後、ビルメンテナンス会社就職、28歳で退職し、ウイズテック(株)入社(営業職・業務職)しました。そして35歳で社長就任。自身が30歳の時、病気で両親を立て続けに亡くし、別々の家で暮らしていた為に、家の片付け・親の遺品整理を休日に行いましたが、中々進まず兄弟にも頼み、1年ぐらい片付けに時間がかかりました。自分でやると、数多の思い出の物や写真などを捨てるよりもそっと取っておく選択になってしまうのです。
これが現職につながっています。自分と同じ思いを抱えた方々を、お手伝いしたい。そんな率直で純粋な思いが、仕事へと繋がりました。回収した電化製品は、製造5年以上経過している物はリサイクルショップでは買い取ってもらえない為、生活困窮者に譲っています。人生は何度でもやり直せると、社会復帰を応援しています。
言葉の悔しさが行動のバネに
以下の2点を世界中の人々が実行できたら、どんなに良いだろうと仕事をしていて思うのです。「1 新しい物を買ったら、古い物を捨てるまたは(リサイクル・リユース)を進める」「2 購入して2~3年使っていないものは断捨離する」。いつかやろう、まとまった休みの日にやろう、と段々と先延ばしになるのが片付けなのではないでしょうか。わが子たちには「どんなにAIの開発が進んでも、ゴミの片付けは手作業でしか出来ない範囲がある」と伝えています。学生時代の恩師に偶然再会した時に、こう言われたのです。「お前、就職したのに掃除の仕事かよ」って。悔しかったですね。自分は強い信念で、どんなに悲惨な状態のゴミ屋敷でも「オレがやらなきゃ、誰がやる!」って使命感で頑張ってきたのに。だからこそ、言われた心ない言葉の悔しさがその後のバネになりました。
片付けにお困りの方からのご連絡には、夜遅くても駆けつけています。だって、苦しくて悩んでいて、すぐにどうにかして欲しくて自分のところへ連絡を下さるのですから。そういう思いを受け止めてあげたいのです。
ゴミに残るメッセージ
リサイクル・リユースできる物は、専門業者に買取してもらいます。しかし現実は、ゴミ屋敷や孤独死や自殺の場合、鼻を突く様なきつい臭いや汚れで、良い品物も買取できない物もあるので処分になります。こういう時が歯がゆい。磨けばまだまだ使えるのですから。物をため込むまでの思いとか、物に囲まれてしまってどうにも身動き出来なくなってくる諦めとか、現場にはそういう個々の思いがサインとして残っています。お亡くなりになった故人と物を通じて会話している感覚になります。その位、現場にはメッセージ性があるのです。
特に印象深い出来事が、高齢者からの依頼です。室内で亡くなっていた息子さんの遺品整理です。生前、ご本人は定職に就かず、ニート生活でしたので、収入は親の年金のみでした。自分も子の親なので、親御さんの辛さがよく理解出来ました。
別々のアパートで生活し、年金支給日にニートの息子が親のアパートを訪ねて来る。その様な生活なのです。息子と連絡取れなくなり、不安なご両親が恐る恐るアパートにたずねたところ、悲惨な状態のゴミ屋敷化したアパートで亡くなっていました。そういう背景を背負って来られたご両親からのご依頼で、物件の遺品整理と特殊清掃の仕事はスタートします。親は息子の住んでいた部屋を見て(よくこんな場所で生活していたな)と悲しみよりも、とても驚きの感情を出されていたのを鮮明に覚えています。
磯貝さんからのメッセージ
高齢者世帯の増加に伴い、高齢者を狙った悪質業者のトラブルも増えています。それこそが、早急に対応すべき課題です。そして寂しい事に、近所付合いもなく独居化している人々の孤独死も増えています。まさに「ソロ社会」の現場と向き合っているのです。孤独死を防ぐには、以下の6つが非常に重要です。
1.(親族や友達)頻繁に連絡をとる
2.近所付合いを大切にする
3.行政の宅配サービス利用
4.介護サービスの利用
5.警備会社見守りサービス
6.見守り家電の利用
介護ヘルパーを利用するのに、室内の物やゴミ同然のモノの山の中、足の踏み場などほとんどない中で日々暮らしておられる方は、実に多い事を知って欲しいです。そしてどうか共に生きる気持ちで、社会全体をみんなで支えていきましょう。
取材を終えて:公認サポーター 市川潤子
鳥肌が立つ様なゴミ屋敷の現場も、「オレはそれを見ると、ワクワクするんだよ」と片付けに膨大な時間と労力を覚悟しているからこその前向きな一言が、ご本人から返ってきました。磯貝さんは下積み時代、昼間は掃除のお仕事、そして夜は病院で、患者さんの食後のトレーを片付け・洗うお仕事のダブルワークをしていました。過労であったと察しますが、ご本人の志が本当に高かった様子を聞かせて頂きました。
近年、広告では「無料回収」とうたい、高価な物だけ回収し、不要な物は山へ不法投棄する悪徳業者が問題になっています。またゴミは無料では捨てられません。税金という支え合いのもと、片付けられているのです。
ゴール11の「住み続けられるまちづくり」を揺るぎない信念で30年間も取り組まれている磯貝さんに、これからも感謝を届けたいです。
<組織概要>
団体名: | ウイズテック(株) |
所在地: | 〒320-0075 宇都宮市宝木本町1650-1 |
設立: | 1992年4月 |
事業内容: |
総合ビル管理業・産業廃棄物収取運搬業・一般廃棄物収集運搬業・一般労働派遣業
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URL: | http://www.withtech.jp/ |