ローカルSDGs アクションフォーラム

参加団体の活動紹介

看護師の「やりがい、自己実現」を提供
ストレス測定、研修、交流、イキイキの場所に

一般社団法人 日本疲労メンテナンス協会

一般社団法人 日本疲労メンテナンス協会

団体紹介

うつ病予防のために

国民が正しいメンタルヘルスの知識をもち、うつ病の予防を行うためにストレスを見える化し、教育活動をしています。

一般社団法人 日本疲労メンテナンス協会
HP https://japan-fma.com/

該当SDGs 目標番号

インタビュー

一般社団法人日本疲労メンテナンス協会 代表理事 時任春江(ときとうはるえ)さん 

一般社団法人日本疲労メンテナンス協会 代表理事
  時任春江(ときとうはるえ)さん 

ストレス測定導入の研修事業

私が病院で看護師として勤務している頃、なぜ看護師の離職率が高いのか疑問に感じていました。看護師の研究文献を読むと、燃え尽き症候群・精神障害発症などが原因だったことに気づきました。

看護師業を25年経て病院を退職した後は、個人事業として看護師のための病院出張ボディケア事業、メンタルヘルス研修事業を開始しました。事業により、多くの看護師が慢性疲労度に気づいていないことを知りました。そこで、ストレスを見える化すれば自身の慢性疲労度に気づくのではと考え、心拍変動解析によるストレス測定を取り入れた看護師のための研修事業を始めました。現在は看護師のみならず行政や一般企業でも研修を行っています。

研修風景の様子
研修風景の様子

健全な状態を維持するために

人口減少やコロナ渦に伴い、日本企業の働き方が変わってきました。しかし変わらないのは企業において「カネ・モノ・ヒト」という企業資源です。その中で一番企業が常に課題を抱えているのはヒト、すなわち健全な状態のパフォーマンスを発揮できる人材です。

社会の大きな変化、すなわちストレスにさらされている私たちは、ストレスをゼロにはできません。もちろんゼロに近づけようと努力は必要ですが、ゼロにできないのであれば、ストレスにさらされながらも健全な状態を維持することを重要視すべきと私は考えています。

看護師による看護師の居場所

私は、一般社団法人とは別に、「One Nurse」という任意団体を2020年10月、コロナ渦中に設立し、代表をしています。設立した理由は、看護師の本音が話し合える場が自分の職場ではなかなかないと感じたからです。目的を持たない交流には、心理的安全性を高める大きな力があります。

のんびり、ゆったり、メンバーの会話に癒され、笑顔になり、自分らしく看護師としてイキイキできる、そんな場になることを目的としています。解決策がなくても「うんうん」と聞き合うことで支え合うことができました。看護師による看護師のための第三の居場所「One Nurse」が、一人一人の個人が看護師としての在り方を支えられればと思い、今も継続しています。(会員数91名 2024年10月時点)

看護師のやりがい、生きがい、自己実現

One Nurseのオンライン交流のある日、コロナ渦中で自殺者が増え、19歳以下の女子が特に増えたことを知りました。私たちは、保健室を開き、ストレス測定を地域でやってみようという流れになりました。赤い羽根募金の助成金を得て、ストレス測定器などを準備することができました。「ふぁみりーあったか保健室」という名称で、血圧計、ストレス測定、酸素飽和濃度など計測し、市民のみなさんの健康相談を行いました。初回はシニアの方が80人程ご利用されました。

今では全国5カ所(東京都、岡崎市、名古屋市、豊明市、京都府)などで開催し続けています。総数1,500人以上(2024年11月時点)利用されました。この活動に協力する看護師は、「保健室に来るとホッとする」「看護師を活かせる」「看護師で良かったと思える」「市民のみなさんから喜ばれてうれしい」「看護師の醍醐味を感じる」と言います。潜在看護師は、「白衣をまた着てみたい」と思う人もいます。

お子さんが「看護師になりたい場合どうしたらよいの?」と時々親御さんから聞かれます。意外と知られていないことを知り、キャリア支援として看護師になるための冊子を制作し、相談会を実施しました。その結果、「看護師になりたい持ちが強くなった」という学生も現れました。

これらの活動は、看護師同士の出会いが、「やりがい、生きがい、自己実現」になっています。私は、個々のよりどころは、関係の質が高まり、組織の成功循環が回り、生産性が高まると感じています。

一般社団法人日本疲労メンテナンス協会もOne Nurseもいのちを守る人のいのちを守るため、大切な人の笑顔を守るため継続していきます。

時任春江さんから読者の皆様にメッセージ

もし、「自分はストレスがないよ」という方がいらっしゃいましたら、ストレスが蓄積されている可能性があります。小学生のある子は、イベント前でストレスが高めの子がいました。実際に指で測定してみないと分からないものです。機会があれば実際にストレス測定をされることをお勧めします。

取材を終えて:編集委員 加藤美奈子

時任さんと私が知り合って約10年です。ポジティブな発言をされ続け、学会登壇や講演、ボランティア活動(One Nurse)など精力的でかっこいいです。

私も時任さんが持参されたストレスを計測したことがありました。自分は意外とストレスがあるのだと知り、百聞は一見にしかずと思いました。
<組織概要>
団体名:一般社団法人 日本疲労メンテナンス協会
代表理事:時任春江
創立:2016年2月1日
住所:愛知県名古屋市西区名駅2-34-17セントラル名古屋711
電話:050-3591-1674
E-Mail: info@japan-fma.com
HP: https://japan-fma.com/
事業内容: ・ストレス測定実績・・4,000人(心拍変動解析を応用したストレス測定器VM302で測定)
・うつ病にさせないためのアドバイザー・・全国の受講者数1,195人(2024年11月時点)など