学校法人自然保育学園 風と緑の認定こども園
団体紹介
母胎をイメージした園舎
学校法人自然保育学園の4つの特色は、「子ども主体の保育」「遊びが中心の保育」「理想の園舎と保育環境」「森とグランドと農園」があります。特徴的なドーナツ型の園舎は「母胎」をイメージしており、デザイン性が高く評価されキッズデザイン賞を受賞しました。
園舎は園庭を取り囲むような設計で、園庭側には開放的なウッドデッキがあり、ブドウ棚もあります。天窓から柔らかな光が差し込む温かみのある保育室は、子どもたちが落ち着いて生活できる空間です。建物の中は随所に遊び心が施されています。しかし、私たちにとって環境は常に進化・深化・新化させていくべきものであり、これが完成形とは考えていません。子どもたちにとって、今よりもさらに良い環境を整えることが大切だと考えています。
特にこの風と緑の認定こども園は、株式会社キッズコーポレーションホールディングスを立ち上げた(全国に269施設運営)、子ども主体の保育を最も良く実践する、シンボル園です。
3つの大切なこと
1.自己肯定感を育てる
2.「過保護=○」「過干渉=×」を念頭に保育を行う
3.ダメと言わない保育
子どもは「無条件に永遠に愛される」という確信を持つことで、自己肯定感が育ち、安心して自律に向かうことができるものです。私たちは、子どもの気持ちに寄り添い、受け止め、望んでいることはすべて「(過)保護」にしてあげています。「(過)保護」が自立を妨げないか不安に思われる方もいるかもしれません。しかし、子どもは愛される存在であると実感すれば、いずれ自ら望んで自立していくのです。逆に「(過)干渉」を禁止しています。「(過)干渉」とは大人が子どもをコントロールしようとすること。自立・自律の妨げになるものです。混同されがちですが、180度異なります。
私たちは、幼児期に「自己肯定感(セルフエスティーム)」を育てることが何よりも大切だと考えています。
そして、日常生活で起こる子どもたちのもめ事や問題行動を目にしたとき、まずはその子の気持ちを尊重することを第一にしています。問題ある行動を注意しないということではなく、一人ひとりの育ちに寄り添いながら、子ども自らが気付き、省みられるように声を掛けます。それが子どもの「存在を認めてあげる」ことに繋がり、その子は自信をもてるようになるのです。
該当SDGs 目標番号
インタビュー
学校法人自然保育学園 風と緑の認定こども園 理事長 大塚雅一さん
1966年、栃木県栃木市生まれ。大学卒業後、大学付属幼稚園勤務を経て27歳で起業。現在269施設を超える保育園を全国展開し、海外にも進出。株式会社キッズコーポレーションホールディングス名誉会長。2009年学校法人自然保育学園風と緑の認定こども園理事長就任。2017年、51歳で藍綬褒章を受章。2022年学校法人海星学園星の杜中学校・高等学校理事長就任。(公社)日本ニュービジネス協議会連合会副会長。(一社)とちぎニュービジネス協議会名誉会長。更にはRACING TEAM MACCHINAのオーナー兼監督も務め、チームを優勝へと導いた。
本人曰く「カーレースとマネージメントは一緒。ゴールまでのプロセスを楽しむ。それで言うと教育も一緒ですよね、だってプロセスが大切だから」。カーレースは、16日間8戦の耐久レースの為、128時間もチームで協働する。「大塚さんが監督に就任されてからは、チーム内でケンカが1度もなかった」と周囲から驚かれている。
日本の画一的な詰め込み教育に大いに疑問を持ち、子どもたち一人ひとりの内面を育てることを重視した保育、そして非認知能力を育成したいと考え起業。起業して、何度も挑戦し続け、諦めなかった30年間で、変革の為に行政や自治体に通い、保守的な姿勢や前例主義に苦しめられた。2020年の国の教育改革で「子ども主体の保育」が叫ばれているが、起業当初は保育者が決めたカリキュラムをこなすという詰め込み式が多かった。他県では株式会社の認定保育運営が始まっていても、栃木県や宇都宮市では全く進まず、東京に進出した背景がある。
全国の先駆けで非認知能力を育成
風と緑の認定こども園はもちろんの事、我々キッズコーポレーションの保育では「非認知能力の育成」を最重要視しています。そのきっかけは、大学時代に読んだダニエル・ゴールマンの「EQ(心の知能指数)」という本との出会いです。著者は、EQを「思いやり」「協力」「調和」「自制」と定義し、IQ(知能指数)が高い人よりもEQが高い人の方が、幸せな人生を送れると書いていたのです。この時に私は「目指していたものを見つけた」と思いました。
現在、EQとは「やり抜く力」や「自己肯定感」と言った能力を包括するものとして「非認知能力」と言われています。その重要性は、後にアメリカで行われた「ペーリー幼稚園プログラム」でも実証されています。今でこそ、非認知能力をうたった保育施設も増えましたが、創業以前から数えると35年も実績とノウハウを有している会社は弊社だけだと思います。
言葉じゃなく態度
2020年12月に自身の著書「キッズアプローチ 生きる力非認知能力を育てる」が出版されました。これは子どもに関わる全ての人に読んで欲しい一冊です。奇しくも2020年は、教育改革の年でした。保育園・幼稚園から小中高そして大学まで、従来型の教育が大きく変わった時期だったからです。そのキーワードが「アクティブラーニング」つまりは、能動的学習ですね。
教え込む教育から、子ども自らが学ぶ教育への改革です。試験では測れない「生きる力」を、どの様にして育むか。そのヒントを盛り込んだ渾身の一冊です。私自身、「幼児教育の父」と呼ばれる倉橋惣三氏と、「保育の神様」と呼ばれる堀合文子氏の実践に学んできましたので、人を育てる立場にいらっしゃる経営者の方にもお役に立てる情報があると思っています。20代で堀合先生のもとで働いていた時は、指導されることが多かったです。子どもたちへの愛情の伝え方1つとっても「言葉じゃなく、態度よ」とトップダウンで教えるのではなくて、抱きしめたり、見守る事の重要性を学びました。
大塚さんからのメッセージ
58歳になった今、認定こども園・中高一貫校・カーレース・ビジネス協議会等で「何を学べた?」「やるべき事は何か見つかった?」「何に驚いた?」と各々へ質問を差し伸べています。何より自分自身を知る事が、非常に重要だからです。だからこそ、教育によって国を変える思いでずっと生きています。
今、世界で紛争が多い中で国連の役割は重要だと思いますし、一個人としてもそのご活動を応援しております。「教育に国境は無い」。その思いでこれからも様々な分野で尽力し、ビジョンを共有できる志ある者たちと共に成長し続けたいですね。
こうして、自身の使命を述べられる機会を頂けて感謝しております。
取材を終えて:公認サポーター 市川潤子
実は10年前に自身の窮地を助けて頂いたのが、大塚さんとの出会いでした。ウルトラマンの如く、あっという間に解決して頂いたご恩は、一生忘れません。その恩人のわずか一代での新規事業を全国展開、更にはアジア進出と廃園寸前の幼稚園を、華麗に21世紀型の認定こども園へとモデルチェンジした手腕には、鳥肌が立ちました。人として、経営者として、心から尊敬しています。
ゴール4の「質の高い教育をみんなに」は、非認知能力を引き出すプロ集団として国内だけではなく世界へ貢献されている組織だからこその、先駆者へ掲げる称号だと思います。今後もその背中を追い、ご活動から目が離せません。
<組織概要>
団体名: | 学校法人自然保育学園 風と緑の認定こども園 |
所在地: | 〒321-0923 栃木県宇都宮市下栗町631-2 |
設立: | 2009年7月1日 |
事業内容: |
・認定こども園の運営
・幼稚園型一時預かり保育
・一般型一時預かり保育
・延長保育
・子育て相談
・開放日
・未熟園児親子教室「キッズクラブそよ風」
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URL: | https://www.kazetomidori.ed.jp/ |