ローカルSDGs アクションフォーラム

参加団体の活動紹介

群馬発!SDGs × 笑いの力
群馬県住みます芸人

富所哲平さん(アンカンミンカン)

人物紹介

富所哲平さん(アンカンミンカン)

群馬県住みます芸人

吉本興業所属の芸人として活躍中の富所哲平さん。2011年から「あなたの街に住みますプロジェクト」に参加し、出身地である群馬県みどり市を拠点に地元を盛り上げる活動をスタートしました。「正しいことも楽しくないと伝わらない」という言葉をきっかけに「SDGs芸人」として笑いを通じてSDGsの本質を伝える活動を展開しています。環境省の環境カウンセラーやみどり市観光大使、ぐんま特使としても活躍中です。

富所哲平さん(アンカンミンカン)
HP https://tomidokoro.info/

該当SDGs 目標番号

インタビュー

SDGs芸人・群馬県住みます芸人 富所哲平さん(アンカンミンカン)

SDGs芸人・群馬県住みます芸人 富所哲平さん(アンカンミンカン)

SDGsで見えてくる、日本のいま

最近は日本のいたるところでSDGsという言葉を耳にするようになりました。とはいえ、正直なところ、まだまだその意味がしっかり伝わっていない部分があるなと感じています。SDGsってアルファベット4文字で表されているせいか、ちょっと敷居が高い印象を与えてしまうんですよね。それに日本語訳の「持続可能な開発目標」っていう言葉も、少しかたくて分かりづらい印象を与えているかもしれません。SDGsはあくまでも未来をより良くするための手段であるはずなのに、気付けばそれ自体が目的になってしまっているところも問題だと感じています。

本当に大切なのは、SDGsを一つのゴールとして考えるのではなく、さまざまな物事がどのようにつながっているかを理解することなんです。環境問題も社会の課題も、それぞれが独立したものではなく、すべてがつながり合っているんですよね。だからこそ、まずは知ることが大事。知ることで見える世界が広がり、選択肢が増えていきます。そしてその知識が行動につながり、より良い未来への一歩を踏み出す力になるんじゃないかと僕は思っています。

楽しく伝える!楽しく学ぶ!

僕が行っているのは、SDGsの大切さをもっと身近に感じてもらうための講演活動です。コミュニティーFMであるFM桐生の番組MCとして「脱炭素 COOLCHOICE」に関わったのですが、群馬大学特任教授の宝田恭之さんから「正しいことも楽しくないと伝わらない」という言葉をいただいたのが、今の活動を始めるきっかけでした。芸人としてできることがあるんじゃないかと。

これまで年間100回以上の講演を県内の学校や公民館で行い、YouTubeやSNSでも情報を発信しています。講演後に子どもたちや先生から感想やメッセージをいただくことも多く、すごく励みになっています。「もっとSDGsについて知りたいと思った」とか「学びたいと思った」みたいな感想をくれる子供たちもいて、学びのスイッチを押せたのかなと思うと嬉しいですね。これからもっと多くの学校で講演をして、学校に呼ばれすぎて芸人活動がままならなくなるくらい忙しくなりたいです!
楽しく伝える!楽しく学ぶ!
楽しく伝える!楽しく学ぶ!

SDGsの精神に根ざす日本の心

環境を学ぶって、ただ自然や資源についての知識を得るだけではなくて、自分が置かれている環境とどう折り合いをつけていくかを学ぶことなんですよね。日本は四方を海に囲まれていて、自然災害が多い国です。どれだけ頑張っても、山や森、海や川には勝てないことを僕たちは知っています。だからこそ日本人には「自分勝手じゃダメだよね」「手を繋いで支え合っていこう」という感覚がDNAに刻まれているように思うんです。

それに日本という視点で見ると「ありがとう」や「おかげさま」といった言葉は、まさにSDGsの精神そのものですよね。近江商人が大事にしてきた「売り手よし、買い手よし、世間よし」の経営哲学を「地球よし」に置き換えたら、SDGsがもっとわかりやすくなるんじゃないかなと思っています。SDGsは決して新しいものではなくて、日本人が古くから大切にしてきた価値観に根ざしているんです。だからこそ、それをもう一度見直して今の時代にも活かしていくことができるとしたら、便利さや豊かさに慣れすぎたこの依存社会から抜け出して、豊かさの価値観を変えていくチャンスになるのではないでしょうか。僕たちが目指すのは、未来の世代に誇れる持続可能な社会です。そのためにも、過去から受け継いだ知恵や教えをうまく活用していきたいですね。

SDGsの精神に根ざす日本の心

富所さんからのメッセージ

人生は一度きりだから、自分が納得できる選択をしてほしいです。たとえその選択が後から間違いだと気付いたとしても、自分で選んだ道なら納得できるし、充実感を得るという意味では何より大切なことだと思います。

そして、その小さな選択や行動の積み重ねは、ずっと大きな変化を生み出すことにつながります。ひとりで100歩進むよりも、みんなで一歩ずつ進むことで、小さな一歩が大きな流れになり、社会全体を動かす力になる。今できることを全力でやって、子どもたちに「やれることはやったよ!」って胸を張って言える未来を一緒に作りましょう。

編集委員 伯川杏実

富所さんの活動がSDGs目標番号のどれに該当するかを伺った際「難しいんですけど、全部なんですよね。選ばないことがSDGsだとすら思っています」とお話されていたのが印象的でした。

”笑い”を通して楽しくSDGsを伝える活動は、表面的な啓発にとどまらず、SDGsの本質を捉えながら誰もが身近に感じられるよう工夫されています。YouTubeやSNSを通して、楽しみながら学べるSDGsの世界をぜひ体感してください。
お名前:SDGs芸人・群馬県住みます芸人
富所 哲平|アンカンミンカン
HP: https://tomidokoro.info/
YouTube: https://www.youtube.com/@tomidokoro
Instagram: https://www.instagram.com/tomitetsu823/
X: https://x.com/tomitetsu823