アトリエまるしおん
団体紹介
アトリエまるしおんは、東京都練馬区のアパートから小さな作品の制作を開始しました。東京都豊島区の池袋ロフトでの展示を皮切りに、ミュージアムショップや雑貨店で作品を展示・販売。その後、栃木県宇都宮市に移住してからは、造形教室を開催。認定こども園、発達支援教室や自宅教室で指導しています。
自分達の作品の発表、造形や音のワークショップ等も行っています。
HP https://www.a-marsion.com
該当SDGs 目標番号
インタビュー
アトリエまるしおん 代表 汐﨑弘さん
千葉県柏市生まれ。日本大学芸術学部美術学科卒業後、アトリエまるしおん代表として活動。認定こども園や発達支援教室、自宅のまるしおんクラスで妻の正江さんと共に子どもたちとの造形の時間を持つ。
2022年に、正江さんとの共著『つくるたね 子どもも大人も楽しめる工作レシピ31』を出版した。
創作活動の情熱から
私は日本大学の絵画コースを専攻しつつ、彫刻コースで溶接を教わったり、様々な素材で作品を作ってきました。同時に音楽活動も並行し、東京でさまざまな仕事を経験しながら制作し続けていました。アパートの風呂場で作業をすることもありましたが、東京での生活は刺激的で多くの出会いや経験を得ることができました。ですが限られたスペースでの制作活動に限界を感じ、妻の実家がある宇都宮に移住することを決意しました。妻もそれまで学童で子供たちに工作を教える仕事をしていたことから、自分たちの子供を育てながら自宅で教室を開くというアイデアを持っており、家族全員で新たなスタートを切ることができました。
子供たちに物を作る楽しさや創造力について伝えることは、私たちにとっても大きな喜びとなっています。自分の手で物を作り上げる過程を見守り、その成長を感じることができるのはとても貴重な経験となっています。
活動の一環として、地域でのイベントやワークショップにも積極的に参加しています。
例えば、下野市の公民館で行われたワークショップでは、子供たちと一緒に楽器を作り、最後には演奏会を開くというプログラムを数日間に渡って実施しました。このような活動を通じて、子供たちに形や音を通してのクリエイティブな思考や表現の楽しさを伝えることができたかと思います。
認定こども園のクラスでは、日本の伝統工芸である藍染め体験を通じて地元の文化に接する機会を持っています。地元益子町の藍染め職人さんに御協力いただき、子供たちに藍染めの過程を体験させることで、伝統文化や地域とのつながりを感じてもらえるようにしています。
また市内の美術館のプログラムに参加し、作品鑑賞と併せてバックヤードツアーに参加し、普段見られない施設や設備を見学させてもらったりもしています。子供たちは多様な価値観や表現方法に触れることができ、視野を広げることができます。
私たちの教室では、子供たちが自分のペースで創作活動を続けられるようサポートし、彼らの成長を見守りながら、これからも地域と連携して活動を続けていきます。
自由に創作する機会を提供
これまでの自身の経験からも、大人のひとことが子供たちに大きな影響を与えることを実感しています。
だからこそ、子供たちが好きなことを楽しく続けられるような環境を作り、彼らの興味や関心を尊重することを大切にしています。創作活動を通じて、子供たちが自分の可能性を見つけ、伸ばしていける言葉掛けを心がけています。
自宅の造形教室では、子供たちに楽しく創作する機会を提供し、危険なこと以外ではあまり手や口を出さないようにしています。
発達支援クラスの子供たちに対しては、時間を掛けて一人ひとりに合わせた対応を行い、創造性を伸ばせるようにと考えています。
まずは作る事を楽しむこと、そして好きになることが重要だと考えています。
今後は造形教室の環境を整えつつ、これまで同様にタンタンと活動を続けていきたいです。その延長線上で、いろいろな方々や機会に繋がっていきたいと考えています。
メッセージ
活動に御興味を持っていただきましたら、お声掛けください。
取材を終えて:公認サポーター 鈴木智
芸術を活用して子供たちの才能を発見し、伸ばすことは一般の学校教育ではなかなか難しいかもしれません。アトリエまるしおんさんはご自分のアトリエのほか認定こども園、美術館や教育機関などに出向き、子供たちと一緒にものづくりを進めることはとても有意義だと感じました。
話の中で子供の時の親や先生の何気ないひとことが子供の才能を伸ばすきっかけを損ない、子供が心を閉ざしてしまうことになるということを汐崎さんが言っておられ、大人はそこを丁寧に見ていないといけないと認識を新たにしました。芸術は言いたいことの代わりの自己表現をする素晴らしい世界だと思いました。